魔王の凱旋

オリジナルの小説をちまちま書いていきます。

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

八話 契約の代わりに

あれから何時間か経過して、俺はまた、村に戻ってきた。イフリートが祀られている祠は、ここからもう少し山奥に進んだところだ。前に祠に来た時はイフリートに会うことなく祠を出てしまったので、イフリートの姿を見たことが無いが、どんな龍なのだろうか...…

七話 これから

「..........え?なんだって?」「いや、だから.....魔王軍の幹部だったやつを仲間にして連れてきたって言ったんだよ」「あ、どうもこんにちはー」「いやいやいやいや、ちょっと待ってくれ。頭が爆発しそうなんだが.....」彼を送り出してから一日たったが、…

六話 戦闘と.....

やれやれ、ちょっと挑発したらこれだ。僕は彼に殴られた左の頬をさすりながら言葉を続ける。「話は最後まで聞いてください。僕は実行者直属の上司ですが、この件に関わってはいないんですよ」「..........なら、何故ここに来た」あーあ。瞳孔が開いちゃって…

五話 一撃

「やっと見えた.............」ミラの研究所から出発してから10時間。山までの距離が意外と遠く、夜が明けてしまった。魔王軍と一刻も早く対峙するために夜は寝ていない。元から俺の一族はあまり寝なくても平気なため、あまりコンディションをおとさずに戦う…

四話 ギアのトレーニング.2そして

いきなり3体の人形と戦うことになった訳だが.....。「ぐぁっ!」3体の人形から繰り出されるコンビネーションに、俺は苦戦していた。武器を想像するにも、しっかりしたイメージが必要らしい。かと言ってずっと攻撃を受け続ける訳にもいかない。「まずは1体でも…

三話 ギアのトレーニング.1

「....................へぇ。そんな貴重な物を俺なんかに使ってもよかったのか?」「問題ないよ。私は実験サンプルが欲しかった。そして君は命を取り留めた。お互いに損は無いんだ」「損.....か。俺にはもう帰る場所が無いから、死んだままでもよかったんだ…

二話 ギア

「その前に私の紹介をしようか」目の前の女性は自信たっぷりに胸に手を添え告げる。「私の名はミラ。ミラ・ヴィータだ。先生とかミラとでも呼んでくれたまえ。さて、もう一度聞こう。君の名前は?」「.........俺の名はディアブロ。ディアブロ・イグニールだ…

一話 邂逅

「ディアブロか。イフリート様は中にいらっしゃる。失礼の無いようにな」祠へ行くと、鎧を身にまとった体格のいい青年が俺を迎えてくれた。彼はこの祠の門番で、みんなのアニキ分だ。「わかってるよ。そういえば俺、イフリート様を見たことないんだけど、ど…

プロローグ

村から続く山道を、一歩一歩踏みしめて進む。生まれてから18年、この日をずっと待ち続けた。今日からやっと、俺の本当の人生は始まるんだ。年端もいかないわんぱくそうな少年が、子どもが遊ぶ様子を優しく見守る老人に話しかける。「なぁなぁばあちゃん!デ…